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遠のく意識は、目覚めの前兆なのだろうか?
白い霧が台風の目を形成するが如く渦を巻き、天高く伸びて行き先を指し示し、鳳炎が力強く上昇する。
――もう、耐えられない。
けれど意識を手放した瞬間、
現実へ引き戻される不思議な感覚。
その結果、半ば夢心地で目を覚ました現実は、真っ暗な澪簿の無い寝室と窓越しに轟く稲妻。おまけに夢と同じスタイルの男になっていた自分を目の当たりにして思考が止まってしまった。
【夢の中での始まりと帰路/完】
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