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「まだ米粒くらいなんだろうけど・・・この中で生きてるんだな、って思うと、何だか愛しくなるね。」
二人でゆっくりと湯船に浸かっていると、亮が後ろから私のお腹をさすりながら言った。
「フフッ・・・男の子かな?それとも女の子かな?亮は、どっちがいい?」
「オレは・・・女の子がいいな。カワイイ女の子。・・・まぁ、元気ならどっちでもいいけど。」
「うん。私も、どっちでもいい。」
そう言って振り向くと、ニッコリと笑った亮の顔が近づいて来た。
「・・・フフッ。」
そして、お互いの唇が軽く触れ合うと、どちらからともなく笑いが零れた。
「とりあえず・・・風呂から出たら、みんなに報告しないとな。『オレたち、明日結婚します!』って。」
「・・・へっ? 明日?・・・早ッ!」
あまりの急展開に、驚いて目をパチクリさせている私を見て、亮は・・・
「善は急げ、って言うだろ?オマエの気が変わらないとも限らないし・・・(笑)」
「そんな・・・変わるわけないでしょ。」
「バカだな、オマエ。言っとくけどね、世の中に『絶対』はないの!」
そう言って、亮は私の頬を軽くつまみながら、得意気に「フフーン!」と笑った。
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