第1章 新しい命

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・・・ポロッ。 お互い何も言えずにただ立ち尽くしていると・・・突然、亮の目から涙が零れた。 「オレ・・・パパになれるの?」 「・・・うん。」 消え入りそうな亮の言葉に、頷きながらそう返すと 「ヤバい・・・スゲーうれしい。」 そう言って、亮は強く私を抱きしめた。 うれしい・・・亮がそう思ってくれた事が、何よりうれしい。 「・・・産んでもいい?」 「当たり前だろ。 オレたちの子供なんだから・・・」 さっきまでの不安が一気に消え去ると、もう涙が止まらない。 私は亮の胸に顔をうずめながら、幸せの時を感じていた。 ・・・すると 「その前に・・・結婚して。」 耳元で、亮が囁いた。 いつか聞きたいと思っていた、その言葉・・・ その短い言葉に、どうしようもないほどうれしくなる。 顔を上げると、目の前には大好きな笑顔があった。 「和希・・・オレと結婚してくれる?」 「・・・はい。」 満面の笑みでそう答えたら、また彼の温かい腕が私を包んでくれた。 「和希・・・愛してる。」 腕の中で聞いたその言葉は、少しだけ涙で震えていた。
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