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・・・ポロッ。
お互い何も言えずにただ立ち尽くしていると・・・突然、亮の目から涙が零れた。
「オレ・・・パパになれるの?」
「・・・うん。」
消え入りそうな亮の言葉に、頷きながらそう返すと
「ヤバい・・・スゲーうれしい。」
そう言って、亮は強く私を抱きしめた。
うれしい・・・亮がそう思ってくれた事が、何よりうれしい。
「・・・産んでもいい?」
「当たり前だろ。 オレたちの子供なんだから・・・」
さっきまでの不安が一気に消え去ると、もう涙が止まらない。
私は亮の胸に顔をうずめながら、幸せの時を感じていた。
・・・すると
「その前に・・・結婚して。」
耳元で、亮が囁いた。
いつか聞きたいと思っていた、その言葉・・・
その短い言葉に、どうしようもないほどうれしくなる。
顔を上げると、目の前には大好きな笑顔があった。
「和希・・・オレと結婚してくれる?」
「・・・はい。」
満面の笑みでそう答えたら、また彼の温かい腕が私を包んでくれた。
「和希・・・愛してる。」
腕の中で聞いたその言葉は、少しだけ涙で震えていた。
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