第一章

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第一章

 僕は十年前、友達を失った 「OZ、待ってよ!」  暗闇の中にいた僕に光を与えてくれた友達 「ユータ…」  僕は叫んだ。だけど友達は大人達の手で僕の手の届かないところへ連れていかれる  僕は友達を追って走った  しかし子供だった僕には友達を助けることは出来なかった  人の小さな欲望のために友達が犠牲になる  悲しかった  もう二度と友達に会えない  初めて僕に楽しいという気持ちを教えてくれた友達に  僕は絶対にこの日を忘れない  いつか必ず僕は… 「ロボットとは、人の代わりに動く機械。そのことを皆さんは理解しているだろうか」  ある大学の広い講義室で大勢の学生が壇上の上で話す教授の言葉を聞いていた。 「この大学では現代のロボット技術の更なる向上のために若い者に技術を広めることを目的にしている。しかし考えてほしい。私たちは何のためにロボットを作るのか。私は個人の自由を忘れずにいてほしいと私は思います」  現代のロボット技術は昔とは違う。人工知能と呼ばれる人の頭脳のような働きをする知能がある研究家によって急激な進化をとげたおかげで現代では当たり前のようにロボットが人の生活にいるようになった。家庭では家事、会社ではお茶出しやパソコン操作、お店ではレジ打ちなどすべてロボットが人の代わりに行うようになっている。 「みなさんには分かってほしい。ただ楽なものを作るのではなく、自分の個性をいかしたロボットを作ってください」  教授が話し終わると学生達からは歓声が上がり、演説ともいえる教授の話にその場の誰もが共感した。
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