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「潤! 優太とのスキンシップを邪魔しないでくれないか?」
「何がスキンシップだよ! ここは日本だ!」
「国なんて関係ないね。優太は私のライバルであり、友人なんだ。スキンシップは人との触れ合いで大切なことだ!」
「大切じゃねぇ! 他のことがあるだろ」
潤の鋭いツッコミがとび、レオもそれ対抗していて二人のコントに置いて行かれてしまった優太と奏は呆然と立ち尽くしていた。
「二人すごいね。久しぶりに会ったはずなのにこの息の合い方」
「お二人は少し似ていますよね」
さっきから潤と言い合いしているのはロボット業界じゃ知らない人はいないほど有名なロボットの研究家で若手の中で優太と並ぶ天才、レオナルド・カデンツァ。これを短くして優太たちは「レオ」と呼んでいる。
――レオ君は相変わらず元気だな~。僕には真似できない。
優太はそんなことを思いながら潤たちのやり取りを見守る。するといきなり潤たちの言い合いが止まり、レオは優太達の方を向いてきた。
「二人ともすまない。こんな言い合いをしているところを待たせてしまい、お詫びにお見上げの紅葉饅頭をこちらで食べよう」
レオは二人を席の方にすわらせると「潤も座りたまえ」と言って半ば無理矢理座らせた。
「紅葉饅頭って思いっきり日本の食べ物……」
「細かいことは気にしてはダメだよ」
「細かくねぇよ」
「二人ともやめなさい」
二人の言い合いが始まりそうになって奏が少し怒った表情で言うと二人とも黙ってその場で大人しくなった。そんなこんなで四人はレオの紅葉饅頭と優太の新しいお茶を飲みながら休むことになった。
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