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とんとんと仁王立ちにされた右足の爪先が床を叩く。
それは次第に間隔が狭まり、勢いがついてくる。
これは私の、イライラしている時の癖だ。
明るい色の、フリフリのワンピースを着て。
ライブ会場の裏口に立っている。
勿論不審者ではない。
では何故こんなところにいて、イライラしているのかというと、とある人物が約束の時間を20分も過ぎているのに来ない事が原因だった。
とある人物というのは――
「いつになったら来るのよぉあのくそ兄がぁ!」
…………私の兄、如月シンタローである。
「いや、だからその、ち、違うぞ?寝坊とかじゃなくてだな、そ、そう!迷子の子供をあやしてやったり、重そうな荷物を抱えてるおばあさんを助けたり、そういうあれだ。つまりはその……」
「……お兄ぃちゃぁぁん……?」
「ひ……っ!!」
長ったらしく言い訳をするニートジャージにイライラが最高潮となり、静かな怒りを燃やすと、兄は情けないことに震え上がっている。
「モ、モモ?」
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