第1章

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「うぅぅ……」 「いや、勝てると思ってたのかよ。」 「だってぇ。」 目の前のディスプレイに写し出された自分の敗けを示す英語(読み方がわからない)を見て、私は大いにショックを受けていた。 夕飯の買い出し(というなのコミュニケーション力を培うためのミッション)をこなし、寄り道でゲーセンに(なにげに初めて)来て、そこに置かれていたシューティングゲームでの対戦を促したのだが、完敗、である。 「お兄ちゃんが手加減しないから!!」 「いやだって本気でこいって……」 「そう言われても手加減するものでしょ!?」 「えー」 意味わからん。と言うように呟く兄に苛立ちが募る。 「もぅ……」 「……悪かったよ、その……なんだ、楽しくなってきたというか。」 「…………ほほぅ。」 なんだなんだ、この兄は。 楽しんでくれているのか。 「ふふっ。」 そうとわかれば苛立ちも消え、嬉しくなる。 「よし!!次は、お兄ちゃんに服を選んでもらおうかな!」 「は、はぁ!?」 そうして私は、突然の依頼に驚く兄の手を取り、引っ張って行った――
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