第1章

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そして、何より腹が立つのは……。 「ん、どうした?」 「お兄ちゃんのばか!」 「はぁ?」 「私、楽しみにしてたんだよ?久しぶりにお兄ちゃんとお出掛けだなって……なのに、つまらなそうにするし文句言うしニートジャージだし!」 「いや、それは関係ないだろ!?」 「とにかくっ!………もういい、私帰る。お兄ちゃんは勝手に一人で遊んでれば!」 「いや、俺も帰るし、」 「あっそ!」 私は、そう怒鳴り付けると走ってお店を出た。 「……なんだよ。」 なんて、兄の呟きが、後ろから聞こえた。 「ん……あれ?」 いつの間にか夢落ちしてしまったようだ。 あれから自室へ籠り一人悪態をついていたのだが、どうやら疲れてしまったらしい。 頬にはよだれと―涙の筋が出来ていた。 ぎゅるるぅ…… …………腹が嘶(いなな)きおった。 現時刻は20:18夕食の時間は優に過ぎていた。 「何か食べよぅ。」 ベッドから身を起こし入り口へ向かう。 あ、そういえばバナナがあった。よし。味噌焼きバナナを作ろう(なにげに自信作)。 「へ?」 夕飯のおかずが決まり、ウキウキしながら扉を開いた私は呆然とした。 そこには、今まで無かったものが置いてあった。 「紙、袋……?」
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