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中を見てみると、そこには新品の衣類が入っていた。
『必殺!』と印刷された白Tシャツに、『阿吽』の文字の記されたピンクのパーカー、茶色いパンプキンパンツ、赤と白のスニーカー。
それは―完璧にコーディネートされたものだった。
「これって…………」
まさか、お兄ちゃんが?
私はテンションを全力に上げて兄の部屋へと駆けた。
「お兄ちゃん!!」
「な、なんだよ、いきなり」
突然の来訪者である私に面倒くさそうに返事する兄に勢いよく話しかける。
「こ、この服!!お兄ちゃんが!?」
「っ!!」
ビクッと体を震わせるとプイッとそっぽを向いてしまった。
「知らねぇよ、まあ、なんだ、優しい誰かが、お前にプレゼント、してくれたんじゃねぇの?」
「……うん、そうだね。」
もぅ、素直じゃないなぁ。
「じゃあその人に言わないとね。」
精一杯の笑顔で、私は兄に告げる。
「ありがとう、って。」
後になって、『モモの好みに合わせたけどやっぱりセンス悪すぎるよな。』と思い直したシンタローが、モモと一悶着あったというのはまた別の話である。
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