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じーっ…(ファスナーを上げる音)
ユウ「でも、まー坊…この位置に手が届かないって……ちょっと体硬くない?俺でも届く位置だよ?…はい、できた」
マアヤ「そんな事はないと思いますけど…;でもありがとうございました。ユウ先輩」
真綾が振り返ってお礼を言うと、何故かユウは固まった。
マアヤ「?どうかしました?」
ユウ「……いま、“ユウ先輩”って言った?」
マアヤ「へ?はい…言いましたけど…先輩?」
ユウは顔を俯かせて微妙に震えていた。さすがに心配になった真綾が声をかけようとすると急に駆けて行った。
ユウ「コウ!!コウ聞いて!ついでにカズも聞いて!」
コウ「何だ?」
カズ「ついでに…って…;それで、どうした?」
マアヤ(キヨ兄…いつから居たんだろ…;)
ユウ「…まー坊が俺の事を“ユウ先輩”って呼んでくれたんだ!」
「「はぁ?」」
ユウ「今まで双子先輩って呼ばれてたから、なんか嬉しい!!」
コウ「え!?ユウだけ狡い!まー坊、俺は!?俺は“コウ先輩”って呼んでくれないのか!?」
ちょうど真綾が部屋から出て行くと、コウの無茶ぶりに反応が遅れてしまった。
マアヤ「……え?いや…2人の時は“双子先輩”でいいかなと思いまして…。1人しか居なかったら名前で呼びますが…」
カズ「それか双子“兄”“弟”先輩とかな」
ユウ「嫌だよ!まー坊、これからは“ユウ先輩”って呼んでね!わかった?」
コウ「俺も“コウ先輩”だ!」
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