プロローグ

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真夏という灼熱の季節は過ぎたが、今だ暑さが残っている秋の朝、若月家では何やら大事なお話がありました――― ジリジリ―― 「真綾ー!朝なんだけどー!起きてるー?つか起きろー!」 私、若月真綾は誰が設定したか知らない目覚まし時計の音と、母親のでかい声で至福の時から起こされたのだった。 「真綾ー?いつまで寝てんのさー」 むくっ マアヤ「…………今起きたー」 「………そのキョンシーみたいな起き方が何で出来るかすっごい疑問なんだけど。…まぁ、そ?なら早く降りてきてね。寝ぼけて途中で階段踏み外さないでよ」 マアヤ「はー?何で…ってしないよ!」 と言いつつも…実をいうと一昨日も1段階段を踏み外して転けたばかりだ。しかも寝ぼけて… そして、しぶしぶとリビングに向かうとテーブル所に父・若月直哉(年齢不詳)、母・若月紗綾(こちらも年齢不詳)が既に座って待っていた。 ちなみに何故年齢不詳かというと、年齢を聞いてもいつもサバを読まれる。しかも母の保険証や免許証、母子手帳を一度探してみたが、結局年齢が分かる物については上手に隠されて分からないままだ。 しかも『永遠の20代よ!』と豪語してるくらいだ。もう墓場まで持っていく気かって話だ。まぁ、確かに娘から見ても綺麗だし。気持ちは分からなくない。 ………うわぁ、母さん満面の笑みなんだけどー…。嫌な予感しかしないんだけどー。今すぐベッドに戻りたいわー(-""-;) 自慢じゃないけど、私の嫌な予感は当たる。当たって欲しくない事も当たる。
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