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長谷部と話しをしていると、自然と安らぐ自分がいた。
長谷部はときたま少年の様な悪戯っぽい笑みを浮かべたりもするが、流石三兄弟の長男といったところか、実の兄の様に優しく俺の話しを聞いてくれたりもした。
「ラストオーダーです。」
店員が笑顔で言ってきた。
ふと、時計を見ると深夜1時を回ろうとしていた。
もう、こんな時間か。。
二人共ラストオーダーは頼まず、お冷やを頼んだ。
店を出ると辺りには人気が無くなっていた。
「今日は、本当にありがとうございました。楽しかったです。」
そう言って長谷部の方を振り返ると、長谷部はうつむいていた。
「長谷部さん?」
心配になり、長谷部に近づくと、
「ぎもぢわるい。。」
長谷部はそう言い、その場にしゃがみこんだ。
(ええ!?)
(あんた、今まで平気そうにガブガブ酒飲んでたじゃん。。)
「大丈夫ですか?」
と、長谷部に声をかける。
「全然大丈夫じゃない。」
長谷部はうつむいたまま、そう答える。
「と、取り敢えず休める所に移動しましょう。」
と、長谷部の腕を自分の肩にかける。
長谷部は気持ち悪そうにゆっくりと立ち上がり俺に全体重を預ける。
お、重い。。
長谷部の腕を肩にかけながらなんとか、近くの公園まで来た。
ベンチに長谷部を寝かせ、この後どうしたものかと考える。
俺ん家に泊めるには少し抵抗があった。
いくら、普段より話しをしたとしても、次の日のことを考えると、泊める気にはならない。。
でも、このままここで寝かせるのもなあ。。
「うぅ。。」
長谷部は苦しそうだ。。
「長谷部さん!タクシー捕まえますから、自分家の住所言えますか!?」
必死で長谷部に聞く。
「うぅ。。」
長谷部はそれしか言わなかった。。
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