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「久瀬さん。」
真剣な表情をしているが、我慢できないという気持ちが顔に出ている。
え、エロい。。
でも、だからといってこれ以上はあり得ない!
「長谷部さん、やめてください!」
俺の言葉を無視し、長谷部は俺の首筋に舌を這わせる。
ゾクゾクっとしたなんとも言えない感覚が俺を襲う。
ダメだ。。この人何言っても止まらない。。
ごめんなさい!長谷部さん!
そう心の中で叫びながら、長谷部を殴ろうとした瞬間だった。
突然、視界が変わった。
目の前には薄暗い空が広がっていた。
え?
思考停止とは正にこのことだろう。
訳がわからなくて何も考えられない。
「良かった。起きてくれた。」
少し心配そうな顔をした長谷部が覗き込んできた。
「お、俺。。」
「大丈夫ですか。水飲みますか?」
長谷部が差し出したミネラルウォーターのペットボトルを受け取りながら、身体を起こす。
辺りを見渡すとここが公園らしきところなのがわかった。
「あ、あの、俺。。」
「覚えてないですか?久瀬さん店の中で急に寝ちゃったんですよ!」
え?
「ラストオーダーでお冷やを頼んだ後、いきなり、ガタンってテーブルに突っ伏したかと思ったら、そのまま寝ちゃって。」
えええ??
「いくら起こしても起きないから、取り敢えずおぶってここまで、運んできたんです。男をおぶって店出たの初めてですよ。」
苦笑いしながら長谷部は言う。
「っ。。」
こ、言葉が出ない。。迷惑かけたことへの申し訳なさや恥ずかしさやら色んなものがごっちゃになった。
しかも、あんな夢まで見て。。
どうしよう。。死にたい。。
もう、穴に入るだけでは足りない。。死んでしまいたい。。
「ほ、本当にすみませんでした。」
長谷部の顔を見ることができない。
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