第2章

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「おはようございます!」 更衣室でばったり長谷部に会った。 今朝の夢を思い出す。 「おはようございます。」 恥ずかしくて長谷部の顔を直視できない。 いや、忘れるんだ!今まで見た長谷部の夢全てを! 自分に言い聞かす。 「今日、凄くいい天気ですよね。キャンプに行きたくなります。」 「長谷部さん、キャンプとかするんですか?」 「ええ、まあ最近は全然行けてないんですよね。昔はよく弟達と行ってたんですが。。」 くすっ あの飲み会の日から、長谷部から弟という言葉を聞くとつい笑ってしまう。 「な、なんか照れるな。。」 長谷部はブラコンであることを少し照れくさく感じている様だった。でも、決してブラコンであることを否定しない。 「久瀬さんは、キャンプとかしないんですか?」 「すごくやってみたいんですが、未だにしたことないんですよ。」 俺はどちらかというとインドアで、アウトドアに強烈な憧れを抱きながら行動に移せず、家でキャンプや登山、川下りなどをネットで調べるだけだった。 ってこれ、完璧なインドアだな。。 「じゃあ、今度一緒に行きますか?」 「え!?いんですか!?行きます!!」 しまった、柄にも無くはしゃいでしまった。長谷部も少し驚いている。 「すみません、本当にすごくやってみたかったので。」 慌てて平静を装う。 「でも、その前に一緒にご飯行かないと。」 長谷部がニコッと笑う。 そういえばあの約束をまだ果たしていなかった。 「いつにしましょうか。」 「今日とかどうですか?」 「え!?今日はちょっと、都合悪くて。。」 あんな夢を見た日に長谷部と二人きりで飯なんて食えない。。 ...こりゃ、忘れるのは無理かな。。 「じゃあ、明後日は?」 長谷部は早く決めたい様だ。まあ、確かに長谷部にも都合があるだろうし、予定は早目に決めるべきだろう。 「はい、大丈夫です。明後日ご飯行きましょう。」 飯に行く日程を決め、俺たちは仕事に就いた。
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