第2章

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「最近、すごく猫が飼いたいんですよね。でも、俺猫アレルギーなんで飼えないんですよ。」 長谷部ともバイト中に世間話をするようになった。 「それは、辛いですね。犬にもアレルギーあるんですか?」 「いえ、犬には無いんですけど、犬は吠えるのでちょっと。。」 「猫も鳴くときはすごく鳴きますよ。」 「え?そうなんですか!?って長谷部さん猫飼ってるんですか?」 「いえ、飼ってはいないんですが、近所に野良猫がいるみたいで、たまに夜中にすごく鳴いてるんですよ。縄張り争いなのか、盛っているのか、とにかくすごく荒々しい感じで鳴いてます。」 「そ、そうなんですか。。飼う前に聞けて良かったです。って、飼えませんけど。」 はははと二人で笑う。 こうやって話していると、何でもっと早く長谷部とこうして話さなかったのかと後悔する。 思えば、自分はもっと早くこうしてればというのが多い気がする。 長谷部との事もそうだが、今までに転職中に入った人とも仲良く話せたかもしれない。 就職だって、もっと早く活動してたら。。そしたら、彼女のことだって。。 あ、でももし就職してたら、長谷部とは会えてなかったのか。。それは少し残念だな。。 「悩み事ですか?」 長谷部が聞いてきた。 「いえ、何でもないですよ。」 長谷部はよく気がつく。たまに、心まで見透かされてるんじゃないかと思う。 「悩み事ならいつでも聞きますよ。」 いつもの優しい表情。 「ありがとうございます。俺も長谷部さんに悩み事あったら聞きますよ。」 「ありがとうございます。じゃあ、明後日は朝まで聞いてもらおうかな。」 「そんなに悩み事あるんですか!?」 「冗談ですよ。」 へへっといたずらっ子の様な笑顔を見せる。
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