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長谷部はオムライスを食べ終わるまで終始幸せそうな顔をしていた。
可愛い。可愛いと思わずにはいられない。
あー、もう俺どうしちゃったんだよ。。
自分が自分でない気さえしてくる。
「ごちそうさまでした。美味しかったですね。」
と、長谷部が俺に言ってくる。
「はい。」
それに俺は笑顔で答える。
「そろそろ出ましょうか。」
そう言って、長谷部は伝票を取ろうとした。
「ここは、俺が!」
慌ててそれを止める。
「いえ、オムライス食べたいって言い出したのは、僕ですし。」
長谷部は、伝票を取ってレジに向かおうとした。
「待ってください!ここで、長谷部さんにも出して貰ったら、長谷部さんとの約束を破ることになります。俺は、長谷部さんとの約束を破りたくありません。」
真っ直ぐ長谷部の目を見て言った。
長谷部は目を丸くして驚いていた。
「じゃあ、ここはご馳走になろうかな。」
長谷部は照れくさそうに笑いながら、俺に伝票を渡した。
会計を済ませて店を出ると、長谷部が、
「すみませんが、もう少しつき合って貰っていいですか?」
と、聞いてきた。
俺は、もちろんいいですよ、と答え二人で長谷部の車に乗り込んだ。
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