第2章

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長谷部と二人の車内。 変に緊張する。 「どこに行くんですか?」 緊張を紛らわすために長谷部に聞いた。 「あの、明日予定ありますか?」 え? 予期しない返しに戸惑う。 「いえ、特に無いですけと。」 「じゃあ、ちょっと朝までつき合って貰っていいですか?」 ええ!? 長谷部との夢を思い出す。 「い、いや、ちょっとそれは。。」 「ダメですか?」 長谷部はしゅんとする。。 「あ、嘘です!大丈夫です!つき合いますよ何時までも!」 長谷部のこの顔はズルい。 「良かった。」 長谷部の笑顔は横から見てもカッコよかった。 「そういえば、長谷部さんって独り暮らしなんですか?」 疑問に思っていたことを口にする。 「そうですよ。」 「自炊してるんですか?」 「。。。。」 「してないです。。」 さっきの間はいったいなんだ? 「俺、料理できなくて。。」 長谷部は恥ずかしそうに言う。 「でも、掃除とか洗濯はちゃんとやってますよ!」 長谷部が必死そうに言った。 「ああ、料理って大変ですもんね。毎日何作るのか考えるの面倒ですし。」 「久瀬さんは料理というか、自炊してるんですか?」 「俺は簡単なものしか作りませんね。炒めものとかカレーとか。」 俺は笑いながらそう答える。 「カレーは独り暮らしの味方です。」 実感を込めて言った。 「なんか、カレー食べたくなってきました。」 長谷部が冗談まじりに言う。 「さっき食ったばっかじゃないですか!」 車内に二人の笑い声が響く。 とても心地良い。
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