第1章

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長谷部と話すことがほとんど無いまま、2ヶ月が過ぎようとしていた。 いつも通りバイトを終え、帰ろうとしたとき、坂井さんに声をかけられた。 「今度、飲み会をしようかと思ってるんだけど久瀬君もどう?」 坂井さんはとても気さくな人で、普段から相談事や愚痴などをお互いに話す間柄だった。ちなみに、旦那さんと中学生の娘さんがいる。 「はい、是非。」 返事を聞いた坂井さんはニコっと笑い、じゃあ、詳しいことが決まったらまた連絡するねと言って帰っていった。 「飲み会かあ。。」 俺は昔から飲み会があまり得意ではなかった。まあ、飲み会に得意不得意があるのかはわからないけれど。 俺は酒を飲んでもさほど変わらず、みんなの酔ったテンションについていくことができない。それで、はしゃいでいるみんなを眺めながら、席の端っこで1人で飲むというのが、いつものパターンだ。 でも、まあ今回は坂井さんもいるし、少し楽しみかな。
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