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「いらっしゃいませー!」
居酒屋の店員の元気に圧倒されながら席に案内された。すると、そこには自分以外の参加者がもう席に着いていた。
「久瀬君が最後だよー。遅刻遅刻!」
と、野村さんが冗談っぽく言ってくる。
野村さんも主婦のパートの人だ。
「すみません、まさかみんながこんなに早く来てるなんて。」
俺は、集合時間の5分前に着いたのだが、もっと早く来るべきだったらしい。
謝りながら座るところを探すと、長谷部の隣が一つ空いているだけで、他に空いている席はない。
一瞬、フリーズしそうになったが、それを長谷部に知られたくなくて、あたかも最初からわかっていたかの様に長谷部の隣に座った。
(正面じゃないだけマシか。。いや、マシなのか?)
何てことを考えていると、
「飲み物決めよう。」
と、坂井さんが言ってきた。
「生で!」
と、答えると、
「じゃあ、僕も生で。」
と、長谷部が言った。
そういえば、長谷部はどのくらい飲むのだろう。そして、酔うとどうなるのか。
少し気になるかも。。
「じゃあ、今日もお疲れ様!かんぱーい!」
坂井さんの音頭でみんな一斉に乾杯する。飲み会は得意じゃないけどこの瞬間は結構好きだったりする。
隣の長谷部とも乾杯をし、ビールを一口飲む。うん、やっぱり美味い。
「ごくごくっ。。あー美味い!やっぱり働いた後のビールは美味いですね!」
長谷部はグラスの半分以上のビールを、もう飲んでいる。
「おかわりください!」
と、早くも長谷部がグラスを空けた。
「良いねー!長谷部君!じゃんじゃん行こっか!」
と、ノリノリの坂井さん。普段決して暗い訳ではないが、こんなにノリノリな坂井さんを見たのは、初めてだったので、とても驚いた。
「はい!じゃんじゃん行っちゃいます!」
そして、こんな長谷部も初めて見る。
(大丈夫かな。。)
一抹の不安を抱きながら、俺もビールを口に運ぶ。
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