第1章

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あははははっ! 豪快な笑い声が店内に響く。 飲み会開始から30分。早くも、みんな酔っぱらって来たらしい。 坂井さんと野村さんはもう出来上がってしまっていて、楽しそうに笑い転げている。 普段、よっぽどストレスが溜まっているのだろう。。お察しします。。 他のパートの人達も楽しそうに世間話や職場の人の愚痴を言ったりしている。 長谷部はというと、生中を4杯空け、今はメニュー表とにらめっこしている。 ちょっとピッチ早いけど大丈夫かな。。 と、少し長谷部を心配していると、 「久瀬さん!次、何飲みます?」 と、とびきりの笑顔で俺に聞いてきた。 その時、俺は初めて長谷部の顔を正面から見た。目はパッチリと二重で、鼻が高く輪郭もシャープだった。少しタレ目っぽいところが長谷部の印象を優しくしていた。これが、世に言う爽やか系イケメンか。。 普段は帽子とマスクをしているため、はっきりと顔を見たことがなかった。まあ、長谷部の場合は帽子とマスクをしていても、爽やかさが滲み出ていたのだが。。 「じゃあ、ハイボールを。。」 「良いですね!ハイボール!僕もそれにします!」 そう言って、長谷部は店員にハイボールを2つ頼んだ。 なんと言えばいいのか、イケメンの笑顔は万人に効果があるらしい。 先ほどの笑顔を見て、ドキっとしてしまった自分がいた。。
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