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「そうこの子が女神だよ
ほら挨拶は?」
王がまるで幼い子供に言う様に少女の顔を覗き込む。
「三王子に着任した「女神」です」
それについて義務的な口調で返した少女に鬼人は驚いた様に後ろへ下がり、ソファーに身体をぶつけた。
結構大きな音がしたがそれも彼の能力による為だろう。
「え…… 君が、女神なの?……」
「はい」
予想外の澄んだ声に鬼人は混乱して動けずにいる。
「……女性、だったのですね」
戦闘能力が高い為てっきり男性だと思っていたのだが。
しかし、鬼人程に混乱はしていない。
その筈だったのに、王が首を傾けてうーん……と唸った。
「それはどうかな? 女神の性別については謎なんだよ」
聖書はこの国では頂点に立つ組織でその組織のトップともあろう者が爆弾発言をしたので僕は思わず間抜けな声を出してしまう所だった。
「え……」
鬼人は既に手遅れ。
「それは男か女か分からない、という事ですか?」
ちらりと自分の事を聞かれているのにまるで関心がないかの様に佇んでいる女神と呼ばれる少女を見た。
見た目は完全に少女だ。
何より足をすっぽりと隠した動きにくそうなワンピースを着ているし。
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