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「はい」
「血まみれの鬼人様?」
「は、はい!」
王に言われて了承したのでわざわざ確認しなくても良いのに女神は僕らの意思を聞いてくる。
それは上の者の命令には素直に頷くもの、と考えられている戦場では珍しく鬼人も少し戸惑っていた。
「どうやって潜入するのですか?」
ソレイユ学園は皇国唯一の異能者の学園なので警備も厳しい筈だ。
それこそ内も外も。
「ご心配なく。
手筈は整っております。
蒼天の竜様、血まみれの鬼人様は生徒として潜入してもらいます」
そこまで言い終えて間を開け、少しして口を開こうとした時部屋のスピーカーがオンになり部屋中に放送が響いた。
『緊急事態発生、緊急事態発生。
捕らえた悪神のメンバーが脱獄しました。
人数は合わせて20人。
至急応援をお願いします。
繰り返します…………』
繰り返される同じ文。
恐らくその悪心のメンバーは全員異能者だろう。
「どうしますか、王?」
思いも寄らない非常事態に仮面を確認しながらいつでも動ける様に準備をしてあくまで冷静に尋ねた。
鬼人もピンと背筋を伸ばしやる気満々だ。
王は難しい顔をして一瞬だけ考える表情をしたがそれは凛とした声に阻まれる。
「私が行きます」
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