スラバヤ沖海戦

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━━海戦勃発より2日後. 03月01日 13時30分 英国海軍.駆逐艦『エンカウンター』 「報告!旗艦『エクセター』が日本軍の砲撃を受け停止!『各艦適宜行動せよ』との指示を入電!」 「モーガン艦長……どうなさいますか!?」 「くそっ……後退……後退だっ!」 日本海軍と連合軍との間で海戦が勃発してから2日目の白昼を迎えたこの日、英国海軍駆逐艦『エンカウンター』を含む米英蘭豪の連合艦隊は大きな打撃を受けて総崩れに陥り、陣形も無視して日本海軍に背を向け撤退していた。 しかし勢いに乗じた日本海軍の追撃は熾烈を極め、次々とその砲撃を受けた艦艇が大破、撃沈していった。 『エンカウンター』にもその魔の手はすぐ近くまで迫ってきており、更にすぐ横で味方が攻撃を受けて停止したとの報告が飛び込み、乗組員達は既に戦意喪失状態であった。 「し、しかし……旗艦『エクセター』の乗組員達が多数海に投げ出されています!ここで我々がこのまま撤退すれば……彼らは助かりませんっ!」 「各艦適宜行動せよと『エクセター』艦長、ゴードン中佐から直々に命令が下ったんだ!国際法にも、『例え漂流者が友軍であろうと、敵から攻撃を受ける可能性が高い危険海域ならば救助活動は義務としない』とある……今はこの艦艇に乗る命を最優先に━━うわぁ!!」 「くそっ、なんだ!?」 艦橋にて味方水兵を救助するか否かの怒号が飛び交っていた最中、突如『エンカウンター』を鋭い衝撃が襲った。
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