《第10章・想いの向こう側…②》

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あぁ~…急に振り向くなんて不意打ちだよぅ… 急に振り向くなんてって思ったけどそれまでに→松本さんはテーブルからバッグを取ってパソコンに打ち込んでた書類を入れて、パソコンの電源を切っていたんだけど。 それさえもかっこよく見えちゃって私ったら松本さんをずっと見ていたから、不意打ちだと思えるの… 『美和?どうしたの?顔赤いけど熱あるの?』 松本は側に来て美和のおでこに右手をあてがう。 そんな事しないで… 握られて肌の色が変わった手首も肩も、そして【熱あるの?】っておでこに手をあてて心配しないで… 車に残って待つと言った私に【女の子1人車に残して行けるわけない】って心配しないで… そんな事されたら私勘違いしちゃって、余計苦しくなる… あなたの彼女がうらやましくなる… 朝も昼も夜も側に居て、と言いたくなるから… 私は左手で松本さんの手をおでこから離して、手を離した。 『大丈夫だから…』 私は赤い顔を見られ恥ずかしくて横を向くと、左手で松本さんの方に戻された。中腰になり私の両腕に両腕を当てて松本さんは私を見ていた。 心配そうな顔をしないで…『私バスで帰る…』 立ち上がろうとした美和はソファーに戻された。 『何が気にいらないの?送って帰る事も湿布も、そして今も。あたしに送らせて、あたしに心配させて。何をかたくなに遠慮してんの?』『やめて…やめて下さい』私は涙が出そうでまた横を向いた、けどまた左手で顔を戻される。 『心配してんのに…怒るわよ』 やめて…勘違いしちゃうから… 美和はソファー側に置いたバッグを取り立ち上がろうとするが、松本にソファーに戻される。 『なんで…帰らせてくれないの…私…勘違い…』 美和はハッとし喋るのをやめた。 松本は勘違い発言に表情を変えて美和をお姫さま抱っこをしソファーに座った。『前にも聞いたわ、何が勘違いだって?』 美和は松本の手から逃れようと体を斜めにしようとするが…。 『話を聞きなさい、ジタバタすると余計に…』 松本は美和の脇の下に当てた右手に力を入れ美和の上半身を固定させた。 『離して…』 『美和がバスから降りた時から言ってるでしょ、離さないって』 美和が言わない事に松本はため息を付き、美和を抱いたまま車へと連れて行き美和を地面へおろした。 逃げる事を想定し松本は美和の手首を掴んだ。 助手席に乗せられ車にロックがかけられ、松本は事務所へと走る。 『なんで…』
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