《第10章・想いの向こう側…②》

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『画像…』 ためらい気味に松本は言いかけると、美和は照れくさそうに松本の背中に横向きに顔を寄せる。 『恥ずかしいから誰にも見せないでね…』 『削除しなくて良いって事?』 『1人で見るなら…』 『ありがとう、美和』 松本と美和はしばらくそうしていたが、松本は美和の為にずれたストラップと外したブラウスをなおしていた。 『小さい子供じゃないよ、私が直すもん(照)』 『言った事あるわよね、美和には手取り足取りやってあげるって(嬉)』 『だからって…』 松本はブラウスをなおしボタンを留めていく、2つめ3つめがやけにゆっくりとした手つきになる。 テーブルからリボンを取り結んでやると、美和が不思議そうな顔をしていた。 『リボン…質問に答えるまで返さないって言ってたのに?』 『ブラウスにはリボンでしょ、それにあたしはもう美和の制服のリボン持ってるし』 『優しいんだね…』 美和は、M美・捻挫したあの日あの人達に、立ち向かう冷たく思える程の松本を見てたからこそ…松本が相手を思い一歩引く事にビックリしていた。 『私はこのまま服がはだけたままなのかと思ってた』『美和だけは別よ』 下着のストラップも腕に落ち、はだけたブラウスもウエストにまとわりついてた美和を見ていたい… だけど… 『美和に風邪をひかせたくないから』 松本は座りなおし隣を叩いた、側においで…と。 テーブルを見るように2人並んでベッドに座る様子はさりげなくみえた。 松本は左手を美和のウエストにまわしキュツと引き寄せると、恥ずかしそうに松本を見る美和をみて楽しそうに笑う松本。 『かわいい…かわいいよ、美和』 照れくさそうに下を向く美和は、ウエストに当てられた松本の手に余計に照れた。 『嫌じゃない?』 『うん…』 さらにキュツと引き寄せられ美和は松本の膝に右手をついた。 『バランス的にあたしの背中に右手をまわすと良いわ、美和が楽でしょ』 美和がそうすると、松本は優しくまたキュツと引き寄せた。 『ひゃっ…』 半分だけ当たる胸と胸の感触に、美和は恥ずかしそうに松本をみる。 『嫌?』 嫉妬していた頃の辛さを思うと、寄り添う体のぬくもりが嬉しい美和。 『嫌じゃない…』 嬉しそうに笑う松本、ひたすら照れる美和。 だけど今更ながら美和は松本に彼女がいる事を思いだし身を引こうとする。 『嫌?』 美和は首をふり松本から顔をそらした。 『どうしたの?美和ちゃん』
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