《第10章・想いの向こう側…②》

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【あなたにとって大切な人は誰かしら?】 彼女いるから想っちゃいけない… 愛されるあの人がうらやましくなるから… 美和はまた寝不足の朝を向かえた。H高には昼から行く為に、お父さんお母さんはお昼で仕事から帰ってくるんだ。 朝睡魔がきてギリギリまで眠って慌てて制服に着替える。 『美和っどうしたの?今日は、聞いてるのか聞いてないのかわからない感じで。美和が決めなきゃ意味ないでしょ』 『結論を急がなくても』 『だって寮に入るなら買い物だってしなきゃいけないのよ』 『少しボーッとしてて…寮に入ったら1人で通学しなきゃいけないわけだし明後日1人でH高まで行ってみる』 『美和…』 『案内してくれた先生7月いっぱいいてくれるわけだし、お父さんお母さんに休んでって言えないからね』『美和お母さん半日くらいシフト変わってもらうわよ』 『何とか行ってみるから』指摘される程にすぐに返事が出来ないでいた。 情けない私ダメダメじゃない… 夕食はお父さんの提案で定食の旨いらしい店に寄り済ませる事に。 『美和ちゃんH高どうだった?佳那子より』 『今、夕食食べてます。後2時間後くらいにメールします、美和』 家に帰りお風呂も済ませベッドに入り佳那子さんへメールを打つ。 『H高答えがまだ出なくて、今日みたいにお母さん達に仕事休んでもらう訳にいかないから…今度は1人でH高に行ってみるつもり。ダメダメな私です』 『今、電話して良い?』 大丈夫です、とメールすると電話がかかってきた。 久しぶりの佳那子さんの声が嬉しい。 『ダメダメな私、って書いたわりに元気じゃない』 『私独りっ子だから佳那子さんがお姉さんみたいで嬉しくて、声に出ちゃうみたいです(笑)』 『あらぁ、お姉さんだなんて嬉しいわぁ(笑)あたしは上に兄、下に弟だから…妹が欲しかったわ(笑)小さい頃から妹が欲しくて…望んでもうまくいかないものね(笑)H高悩むくらいなら行かない方が良いわよ』 『………』 『拓也はなんて?』 『怒らせて以来電話もメールもしていないからわかりません』 『拓也から電話ないの?…まったくバカ拓也なにやってんの…』 『怖くて話せないのも本音です』 『あたしに話すみたいに話せないの?』 『【あんたをめちゃくちゃにしてやりたい】とか言われたら怖くて話せない』 『大丈夫、拓也も大人だから信じてあげなさい』 『めちゃくちゃにってどういう事ですか?』
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