~最終章 新しき時代~あとがき~

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もう、二人で旅をすることなんて、二度とないと思っていた。 山を越え、船に乗り海を越え。 二人は船に乗ることにものすごく抵抗があったが、乗らなければたどり着けないので、仕方なく船に乗り込んだ。 しかし、嵐に襲われることもなく、航海は順調に進んだ。 レンは、本当に表情が豊かになった。 特に、よく笑うようになった。 カレジはそれが、すごく嬉しかった。 二人でいると、今まで流れてきた年月が嘘のように、子供の頃の気持ちが蘇ってきた。 まるで、時間を巻き戻しているかのように…。 二人が出会った森を抜け、ついに生まれ故郷に戻ってきた。 もちろん、墓だらけの廃墟のままだった。 あの頃のまま、時は止まっていた。 カレジとレンは、リグーンやファニーからもらった植物の苗木や、花の種を黙々と植えていった。 里中に、たくさんたくさん植えた。 三日間かけて、全てを植え、川から水を汲み、撒いてやった。 何年かすれば、ここもたくさんの植物で埋め尽くされ、綺麗な景色になるに違いない。
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