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ネスは腕を組んだ。
「ここにいる私達以外の民衆は、今日までの出来事を知らないままの方が多い。魔族や妖精族への差別意識を持っている者もいる。もちろん、その逆も…だ。人間をよく思わない者もいる。…分かるね?」
「…はい。分かります。」
ホウプが答えた。
ネスは更に話を続ける。
「お互いがお互いのことを、もっとよく理解していかなければならない。…そこでまず、少人数で行き来するのがいいと思うんだが、君達はどう考える?」
「いいと思います。もっと分かりあってからじゃないと、またすぐに戦争になってしまう可能性があります。」
ファニーが答えた。皆もその意見に同意だった。
「うむ。皆、同じ考えのようだ。では、一年ずつ人を増やしながら行き来をし、理解の輪を広げてゆこう!いいね?」
「はい!!」
全員が声を揃えて返事をした。
「…と、いうことでカレジくん。君にはずっと頼ることになってしまうが、お付き合い願えるかな?」
「もちろんです!皆さんのお役に立てるなんて、光栄です!!」
カレジが城で生活することが決まった。
ホウプもクレオも大喜びだった。
その日は久しぶりに、皆がぐっすりと眠れる夜だった。
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