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「まあまあ、ホウプ様。落ち着いて。カレジさんだって、しばらくの間だけですから。後は、ずっと一緒でしょ?」
ホウプはすっかり元気をなくし、うつむいてしまった。
すると、ネスが口を開いた。
「二人がいない間、ホウプには勉強に専念してもらうぞ!なにせお前は次の王なんだ。学ぶべきことが山ほどあるんだぞ。」
「え~!?」
ホウプの焦り方に、思わずみんなで笑った。
クレオが出発した次の日に、カレジも城を出た。
ホウプがついてきそうな勢いだったが、ネスやパール、城の人達に止められて、諦めた。
まず向かったのは、もちろん、ダンの店だ。
「ただいま!」
カレジの声がすると、お店に来ていた常連客も、無事に帰ってきたことを喜んでくれた。
「カレジ…。お帰り。…良かった、良かった…。」
ダンは涙を流しながら、カレジを抱き締めた。
「じいちゃんも、無事で良かった…。」
カレジも、あふれる涙を抑えられなかった。
懐かしい匂いが、カレジを包み込んだ。
「今日は、野菜スープを作ろうか!」
「…うん!」
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