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カレジが次に向かった先は、リグーンだった。
もちろん、レンに会うために。
「…来たか。」
レンがふっと嬉しそうに笑ってくれた。
「レン…。」
この人には何万回お礼を言ったって足りないだろう。
家族を失ったカレジを、全くの他人だったのにも関わらず、ここまで育ててくれたのだから。
カレジはしばらくリグーンに滞在した。
レンと二人きりの水入らずの時間を満喫できた。
そしてカレジは、最後にもう一カ所行きたい場所をレンに告げた。
「俺の故郷に…俺が生まれた場所に、行っておきたいんだ。」
幸せだった故郷。平和だった故郷。悲しすぎる惨劇が繰り広げられた故郷へ。
「そうか…。分かった。オレも行こう。」
「…本当に?一緒に来てくれるの?」
カレジはレンの申し出に驚いた。
「もちろんだ。…あそこに独りで行くのは辛いだろ?」
やっぱり、レンにはなんでもお見通しだった。
「うん…ありがとう…」
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