灰かぶりの花嫁のなみだ

13/72
前へ
/300ページ
次へ
5⃣ アタシが下田の実家から家出をしました後の家庭はどうなっていたのかと言いますと、両親や姉はアタシがいなくなったことを悲しむどころか、姉とゆういちろうさんの結婚に支障がなくなったので問題は解決できたと言うことで、アタシが家からいなくなったのでバンザイバンザイとよろこんでいたのでありました。 アタシが家出をしたのと同時に、祖父も家庭内に居場所をなくしていたのでありました。 両親が姉とゆういちろうさんの結婚のことばかりに集中をしていましたので、今まで祖父に優しくしていました母が急に冷たくなってしまいましたので、祖父は女性がらみのトラブルを起こしてしまったのでありました。 父は、祖父が女性がらみのトラブルばかりを起こしていることに腹を立てまして祖父を下田市内にあります老健施設に入所させることを決意したのでありました。 老健施設にて… 父は、祖父の入所の手続きが完了をしました後に家に帰ろうとしていましたが、祖父が『家に帰りたい…』と泣き叫びながら父を呼んでいたのでありました。 父は、泣き叫んでいる祖父に対しましてプイと背中を向けて施設を出ていったのでありました。 4月27日の午前9時過ぎのことでありました。 姉の実家に、ゆういちろうさんが使っている家財道具が運ばれてきたのでありました。 ゆういちろうさんは、横浜の総合商社をやめた後に下田市内のホテルに再就職をすることを決めましたのと同時に、姉の家のムコヨウシになることを決意したのでありました。 ゆういちろうさんの家財道具が家に入った後に、祖父が使っていました家財道具とアタシの部屋に置かれていました家財道具が運び出されましてリサイクルショップのトラックに積まれたのでありました。 両親は、家出をしましたアタシと老健施設に入所しました祖父の家財道具を運び出しまして、姉とゆういちろうさんの結婚に支障がなくなったと勝ち誇った表情になっていたのでありました。 同じ日に、ゆういちろうさんは実家をすてまして姉の実家に本籍を移しましたので、姉はますます勝ち誇った表情になっていたのでありました。 あとは、大安吉日の6月の第1日曜日の挙式披露宴を待つだけ… めでたしめでたし… …と思っていた矢先に事件が発生してしまったのでありました。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加