灰かぶりの花嫁のなみだ

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7⃣ それから7時間後のことでありました。 姉の実家に警察署から電話がかかってきましたので、母が応対に出ていたのでありました。 母は、祖父が亡くなったので警察署の霊安室に来てくださいと言う知らせを聞きまして思い切り怒った後に電話を切りまして、髪の毛をくしゃくしゃとかきむしっていたのでありました。 そこへ姉が母の元にやって来まして、ゆういちろうさんが書き置きを残して家出をしたと言ってきたのでありました。 「おかあさん大変よ!!ゆういちろうさんが…書き置きを残して家出をしてしまったわ!!」 「ええ!!ゆういちろうさんが書き置きを残して家出をしてしまったって!?」 「とにかく手紙を見て!!早く!!」 母はゆういちろうさんが残した書き置きを見たとたんに、恐ろしくなりまして手がブルブルと震えていたのでありました。 手紙の内容には、家に対する不満がたくさん書きつづられていたのでありました。 他にも、本当は結婚をしたいカノジョがいたのに姉のために別れてしまったことに対する不満や総合商社にいた時の上司に対する不満やうらみなどがたくさんかかれていたのでありました。 手紙の最後には『ぼくとカノジョの時間を返せ!!返さないと取り返しのつかない恐ろしいことが起こるぞ!!』と言う過激な文章で書かれていましたので、母は恐ろしくなりまして声を震わせて泣いていたのでありました。 そして、ゆういちろうさんの書き置きの最後の過激な文章の通りに恐ろしいことが本当に起こってしまったのでありました。 その日の夜に、両親が家から一度追い出したおばが再び子供ふたりを連れて家に戻ってきたのでありました。 この時、母はおばに出て行きなさいと怒鳴りましたので、おばと大ゲンカになってしまったのでありました。
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