灰かぶりの花嫁のなみだ

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8⃣ それから10日後のことでありました。 アタシと母と姉が出ていった家では、出戻ったおばが勝ち誇った表情で家を取り仕切っていましたので父の心のすさみはさらに加速していたのでありました。 おばの子供二人は、それぞれの学校に転校をしまして新しい学校生活を送っていましたが、下田市内の学校の雰囲気で周囲の子供たちと仲良くできないつらさが原因で孤立をしてしまいましたので、どうすることもできなくなっていたのでありました。 おばの子供二人が転校先の学校でうまく行かなくなっていたことと同じ時期に、家のキンリンで事件が発生したのでありました。 (ガシャーン!!ガシャーン!!) 6月20日頃から数日おきに家のキンリンで家の窓ガラスが投石によりまして割られる事件が発生していましたので、住民のみなさまが怒り心頭になっていたのでありました。 6月23日頃に、3軒となりの家のハタケヤマさんの家の縁側のアルミサッシ戸の窓ガラスが投石によりまして割れまして、ハタケヤマさんの4歳のお孫さんが投石で頭を打ちつけて全治1ヶ月の大ゲガを負った事件が発生しました。 おばはこの時、家の前でほうきを持ちまして掃除をしていた時にハタケヤマさんの家の前に救急車が止まっていて周囲が大騒ぎになっている現場をぼんやりとした表情で見つめていましたので、近所の奥さまに怒鳴られてしまったのでありました。
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