灰かぶりの花嫁のなみだ

「ゆきみちゃん…アタシね…決めたの…」
「決めたって…何を決めたと言うわけなの？」
「アタシね…ボストンの大学に…留学をすることになったの…」
「ボストンの大学に…留学をすることになった…」
「うん…７月に入ったら…アメリカへ行く準備に入るために…ゆきみちゃんと会える時間が…ないのよ…」
「ねえ、いつまでアメリカに滞在をするのよ…いつ頃に帰ってくるの？」
「分からない…と言うよりも…転籍をすることを前提にアメリカに行くのよ…」

つき奈ちゃんは、より深刻な声でアタシにアメリカの大学に転籍をすることをちらつかせていましたので、アタシはつき奈ちゃんにこう言ったのでありました。

「つき奈ちゃん…転籍をするって…本当のことなの？」
「本当よ。」
「大学はどうするのよ？」
「休学をするわよぉ…」
「休学。」
「うん…と言うよりも…日本の大学に不満があるのよ…」
「日本の大学に不満があるって…厚木で暮らしている両親には…何て伝えているのよ？」
「フツーに休学と伝えたわよ…」
「両親は…ショウダクをしてくれたの？」
「もちろんよ…」

つき奈ちゃんは、アタシからの問いにますます答えづらい声になっていましたので、アタシは心配になっていたのでありました。

つき奈ちゃんは、アタシにアメリカの大学に行くことは小さい頃から持っていた夢なのよと泣きそうな声で言ってきましたので、アタシはますます困惑をしてしまったのでありました。