1270人が本棚に入れています
本棚に追加
その瞬間、
白い喉を晒してのけぞりながら
小さく啼いた志緒が、
この世で目にしたものの中で
一番綺麗なものだったってことは。
──死ぬまで、
俺の秘密だ。
忍ぶれど。
忍ぶれど、
どうしても隠せないのが恋ならば。
俺のそれは、
志緒の中に隠してしまいたい。
珠緒さんに、
しばらく合わせる顔はないけれど。
心を込めて
手をかけてやれば、
女って本当に咲くんだ。
……咲いたんだ、
こんな最低な俺の、
腕の中ででも。
.
最初のコメントを投稿しよう!