雅文の独白

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本当に、単なる遊び。本気なんかではなかった。 ただ、雪菜という女には、昼間の見た目からは想像もつかない魅力があった。 笑えば楽しい気持ちにさせてくれ、思いやりとか好きという気持ちを感じさせてくれる。 そして、ベッドでは艶めかしいまでに俺を求めて夢中にさせる。 半年の間、関係を止めたいと思ったことがなかった。 瑞希への満たされぬ思いを雪菜が完璧に埋めていた。 男のエゴにさえ、雪菜は愛情を示す。 だが、突然言い渡された、瑞希からの離婚。雪菜とのこともバレていた。 目の前が真っ暗、いや、頭の中が真っ白になった。 不倫で離婚なんて、ベタ過ぎないか?まさか瑞希がいきなり離婚を迫るなんて。 パニクる自分を押し隠した。 こんな時でさえカッコつけて。
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