雅文の独白

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考えさせてくれと言いながら俺がしたことは、雪菜ではない、違う女を抱いたこと。 以前上司と2、3度行ったことがある飲み屋の女。 俺に気があるふうだったから、通うのをやめた。 あの晩、店に顔を出せば、喜んで迎えてくれ、挙句、自分の部屋に招いた。 めちゃめちゃ体を弄んでやった。 瑞希にも、雪菜にもできないようなことを。 名前も憶えてないような女を自由に弄んで、俺は意味もなく更に自分を貶め、追い込んだ。 絶望の淵の底にいた。 もう、瑞希の気持ちを変えることなんてできないと悟っていたから、自分の人生も終わりだと感じていた。
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