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結果的に、身から出たサビだからと、瑞希の好きにさせたが、心の底から自分を呪った。雪菜に溺れた自分を。
瑞希が出て行ったあと、俺は一瞬死のうかと考えた。
だが、その考えは続かなかった。やることがあったから。
家は借家で、翌日に俺も引越すことになっていたのだ。
引越してから暫くして、会社で雪菜に話しかけられた。
離婚の噂を聞いたと。自分のせいで申し訳なかったと。
俺は、離婚は自分自身が招いたことで、雪菜とのことはきっかけに過ぎないのだと説明した。
それより、雪菜にはちゃんと幸せになるように、二度と不倫などに嵌らないようにと諭した。
すると、雪菜は笑顔でこう言ったんだ。
『なら、今の雅文さんとなら不倫じゃないですよね』と。
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