雅文の独白

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一目惚れだった。完全に俺のタイプで。 友人の亨に頼んで、旅先でナンパ。 これは運命の出会いと信じて疑わなかった。 とにかく、亨にはその子の連れを口説いてもらい、俺はその子とのツーショットに持ち込む作戦だった。 ところが、だ。 この彼女、瑞希ちゃんは、俺には全く興味なし。 友達が見知らぬ男と絡まる姿に半ば呆れていた。 ね、イヤらしいったらないわね、あの二人。なんてことを言い、俺に同意を求めた。 いや、俺も、あんなイヤらしい感じに君となりたいんだけど、とは言えず。 全くだよと頷いて見せた。 これが愚かな男の最大の間違いだったと、今にしてみたら良くわかる。 出会い方からして卑怯だった。
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