雅文の独白

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そして、あの件。 溜まっていたというより、瑞希が笑わなくなったことが辛くなり、自分を責めて逃げ道を求めたんだと思う。 雪菜は、派遣社員として働き始めた時から俺に意味深な視線を送っていた。 雪菜の上司は元俺の上司だから、多分俺の噂話もちょくちょく出ていたんだろう。 同僚女性たちとの確執にも気づいていたが、仕事に影響がなければ俺の関知することではないと知らん顔していた。 あの日、雪菜はどうしたことか、蒼顔で駆け回り、ペコペコ頭を下げまくって焦っていた。 上司は出張中。 次席の主任は女性社員で、雪菜を敵視していた連中の中心人物だ。 なんかやらかしたんだと察した。
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