12人が本棚に入れています
本棚に追加
「そういえば圭吾くん、卒業ギフトありがとう」
私は髪を少しかきあげて、首元のネックレスを彼に見せた。
「私のはシルバーだけど、嬉しかったわ」
その言葉に、彼は焦りを隠せなかった。
「い、いや、その……」
「ううん、いいの。本当に嬉しかったから」
私と玲菜、そして圭吾くんの三人は、卒業の記念に「ギフト」を贈り合おうと決めていた。
本当は卒業式の日に贈るって決めてあったのに、圭吾くんは二週間も前に私たち二人にギフトをくれた。
そのあと、私は玲菜とカフェに行って、ラッピングされた箱を開けてみた。
二人とも、ハートのデザインのネックレスが入っていた。
でも、二人のそれには、決定的な違いがあった。
私のはシルバーだったけれど、玲菜のネックレスはプラチナだった。
そのとき、彼女は笑ったの……、私を見て。
勝ち誇った顔で、私を見下すように、笑った。
ねえ……、それが、どれほど屈辱的なことだったと思う?
そんな私に殺意が芽ばえるまで、たいして時間はかからなかった。
最初のコメントを投稿しよう!