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『エイミー、何やってる!すぐに離れろ!』
キリナの怒号が飛ぶも、エイミーはそのまま飛行を続ける。
『隊長!バジュラたちが…』
ずっと待機中もデータを取り続けていたジュンの声にキリナがバジュラを見ると、ゆっくりと向きを変え、次々とフォールドしていく。
「帰って行ってるのか?」
『近くにデフォールドの反応もありませんし、帰ってくれたみたいですね』
ジュンの答えにキリナは大きく息を吐き、最後の一匹がフォールドして行った時だった。
カンナの心臓が大きく跳ねるように鼓動し、全身が震えだす。
「何だ、これっ…!」
操縦桿もまともに握れないくらいの震えの次はひどい目眩を感じ、カンナは自動操縦のスイッチを何とか押し、
『隊長、すいません、ちょっと意識が…』
と、通信を入れたところで意識を手放した。
『おい、カンナ!どうした?』
キリナは反応が無いことを確認するとすぐにカンナの機体に近付き、ジュンを呼んだ。
『ジュン、手を貸せ。このまま連れて帰る。エイミーは先にクォーターに戻り、このことを話して受け入れ体制を作っておけ』
『了解』
クレアは振り返りカンナの機体を心配そうに見つめた後、前を向き直し手を合わせて無事を祈った。
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