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ストレッチャーに乗せられた未だに意識の戻らないカンナが処置室に運ばれ、ドアの前にいたエイミーとクレアとキースの元にキリナがやって来た。
「カンナは中か」
「はい。すぐに検査の結果は出るでしょうけど…一体何があったんですか?」
「俺にもさっぱり分からん。バジュラたちが帰って行った時、急に意識が保てないと通信が入ってそれっきりだ。ただ飛んでただけでブラックアウトするようじゃ…もう乗せられんな」
キリナが忌々しそうにカンナがもう飛べないかも知れないことを口にすると、誰よりも飛ぶことに情熱を燃やしていることを知る者たちは返す言葉がない。
「そうだ、エイミー!お前、命令違反した自覚はあるんだろうな!」
「すみません!」
慌ててエイミーが頭を下げると、クレアが前に立ち塞がった。
「お兄ちゃん、怒らないでって言ったでしょう?私がエイミーちゃんにお願いしたの。バジュラたちに私たちは今平和に暮らしてるよ、惑星を譲ってくれてありがとうって気持ちを込めて歌を届けたいからって」
「だとしてもだ。命令に逆らったことは事実だ。クレアが可愛いから待機しろって言ったんじゃない。ろくな武器の持たないお前に何かあったらどうするつもりだったんだ!」
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