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エイミーの機体にも最低限の装備は備わってはいるが、戦争を経験したことのないエイミーがバジュラとまともに戦えないと判断した上での待機命令だった。
「…本当にすみませんでした!」
「今度やったら承知しないからな」
キリナはそう言うと、エイミーの頭にゲンコツを一発お見舞いした。
「お兄ちゃん!」
「クレアちゃん、良いの。本当はもっと重い罰受けたって仕方のないことしたんだから」
クレアの抗議の声にエイミーが殴られた頭を摩りながら言う。
その時処置室のドアが開き、カナリアが出てきた。
「まだ意識は戻らないが、検査は一通り終わった。脳波や心電図等に全く問題ないし、異常も見当たらない」
「原因が分からないってことか?」
キリナの問いにカナリアは頷き、じっとクレアのことを見た。
「?」
「状況は大体ジュンから聞いた。カンナをここまで運ぶ間に、アイツもデータを独自で採ってたみたいでな。それもあって気になることがあるんだが…いや、カンナの意識が戻ってからにしよう」
「すぐに目覚めますよね?」
「そう時間はかからないだろう」
カナリアはキースに答えてからまた処置室へと戻って行った。
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