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「嫌なもんだよな、意識戻るの待つのって」
キースがため息を吐きながら言うと、キリナも同意して頷いた。
「考えてみたら、アイツが一番病院に担ぎ込まれてるな」
「カンナくん、パイロット以外にも護衛とかで危険な仕事してるもんね」
処置室の前でしんみりとした雰囲気の中、カツカツとヒールを響かせて息を切らせながらエティアが飛び込んできた。
「カンナが意識不明で運ばれたって?」
「まだ意識戻ってないんだが、カナリアの話では身体には異常は無いらしい。外傷もないから、意識が戻ればひとまず安心だろう」
「中に入っても?」
キリナに尋ねてから、エティアが処置室に進むとベッド横にいたカナリアが手招きしてエティアを自分の隣に呼んだ。
「今ちょうど意識が戻ったところだ」
「カンナ、私よ、分かる?」
横になったまま、カンナが頷いてから小さい声でごめんな、と言うとエティアが頬を膨らませた。
「もう、病院に運び込まれるの何度目よ!私に心配かけるなんて、良い度胸ね」
エティアの文句にカンナが微笑む。
「何笑ってるのよ」
「お前らしい心配の仕方だなって」
「生意気!」
叩くわけにもいかないので、エティアがカンナの頬をつまみ上げた。
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