第2章

6/10
前へ
/26ページ
次へ
「状況も何も、バジュラたちを発見して俺と隊長で様子見するはずが、クレアを乗せたエイミーがバジュラたちの近くを飛んだだけだろう?」 「その後、意識が保てなくなった」  カナリアからの質問にカンナが頷く。 「何だか心臓がひどく大きく跳ねるように動いて、目眩を感じてヤバイって思ったのが最後。今までこんなこと無かったから、何が何だか」 「ねえ、これでも身体に異常が無いの?」  エティアがカンナを心配して、話に割って入ってきた。 「結論を急ぐな。ちゃんと分かるように話すから。カンナ、身体に異常を感じる前、お前は何を目にして何を聞いた?」 「…?バジュラたちの姿と、エイミーの機体、それとクレアの歌うアイモかな」 「聴いていたんだな?」 「ああ」 「私の機体には前回もクレアちゃんの歌を届けたってことで、スピーカーポッド装備してましたから」  エイミーが答えると、カナリアがクレアをカンナのすぐ側に立たせた。 「クレア、アイモ歌ってくれ。出来るだけ当時の状況を再現したい」  促されて、クレアは少しだけ自分の歌が原因なのかと不安な気持ちになりながらもアイモを口ずさむ。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加