第1章

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 マクロスクォーター内の通路を進んでいたカンナを見つけて、ある人が近づいてきた。 「よぉ、カンナ。お前この前の検査で引っ掛かって、再検査だったんだって?」  キースがいつもの調子でカンナの肩に腕を回した。 「再検査ってほどのものでも無いさ。詳しく調べたいからって、少しだけ血採られてただけだ」 「それで、何に引っ掛かったんだよ?再検査なのにVF乗って大丈夫なのか?」 「VFに乗るのも仕事のことでも何も気にすることはないって言われたんだけど…どうも歯切れが悪くて教えてくれないんだ」  採血の際のひどく険しかった表情と、どこが悪かったのか尋ねても「ハッキリしてから」とだけ繰り返すカナリアを思い返した。  仕事に支障はないとは言われても、少しも気持ちが落ち着かない。 「ふーん、あの人がそう言うなんて、何だか変だな」 「ああ」  キースもどこか違和感を感じるようで、首を傾げるのでカンナも頷いた。  その時、二人の携帯がけたたましいコール音を鳴らしたため、互いの顔を見合わせた。 「これ、緊急召集?」 「何が来てるんだか」  キースのどこか緊張感のない一言の後、二人はブリッジへと走り出した。
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