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出撃準備のためパイロットスーツに着替えたカンナが格納庫に行くと、隊長のキリナにジュンが頭を下げていた。
「お願いします!僕も行かせて下さい」
「しかし、お前は今日非番だろう。何も休みの時に偵察で出なくても…」
「バジュラのデータが採れるなら出撃します。それに、心配な部分もありますし」
ジュンがチラッと自分の方を見たような気がして、カンナが小首を傾げた。
「…分かった。艦長には俺から話する。キースが出れない代わりに、お前が出るってことにしておこう。カンナ、お前は万が一に備えて俺と同じくいつでも戦闘に入れるようにしておけよ」
「了解」
カンナが返事をすると、キースが隣にやって来た。
「つくづくジュンはワーカホリックだよなぁ」
「爪の垢でも煎じて飲ませてもらったらどうだ?」
カンナの嫌味にキースが肩をすくめた時、遅くなりました!と通る声が格納庫に響いた。
「クレアも来たのか」
「うん、スケジュール調整つけられたから一緒に行くよ」
笑顔で答えるクレアに対し、兄のキリナは仏頂面である。
「偵察なんだから、何もまたお前が行かなくても」
「お兄ちゃん、このことは前にもよく話して決めたことでしょう?」
妹に諭されて力なく肩を落とす。
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