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「エイミー」
「はい」
「悪いがクレアを後ろに乗せてくれ。戦闘にはならないと思うが、俺やカンナのでは荒い飛行になりかねん。もし戦闘になったら、お前は戦わずにクォーターに戻るのが第一優先だ」
「分かりました。隊長、あの私にはクレアちゃんを危険な場所に連れて行く理由が分からないんですが」
「ああ、そうか。お前は全く初めてだったんだな。クレアの歌声にフォールド波が含まれているのは知っているよな。バジュラたちがどういった理由でここに来るのか分からん。だから、この惑星に近付きすぎないよう、クレアの歌でお帰りもらってる」
キリナの説明にやっとエイミーが納得したところにキースが付け加える。
「クレアちゃん乗せてるから、運転はくれぐれも慎重な。かすり傷少しでも着いてたら、隊長が暴れるから」
「…了解」
笑いを堪えながらエイミーが答えると、出撃準備が整ったと整備技師からの合図があり、それぞれの愛機へと乗り込んでいく。
「心配か?」
ブリッジのモニターで格納庫の様子を見ていたカナリアに艦長が声をかけた。
「今回ばかりは私たちの仮説が外れることを祈りますよ。けれど、バジュラの接近を考えると…外れそうにないですね」
カナリアの言葉に、艦長は黙したまま出撃しようとしているVFを見つめた。
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