第1章

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 クォーターのデッキに4機の戦闘機が姿を現し、ブリッジの間にも緊張感が漂う。  艦長の出撃の声を合図に、キリナ、ジュン、カンナ、エイミーの順に次々と飛び出して行くのを見送り、ミーナが一番大きなモニターに現在のバジュラたちの姿を映し出した。 「バジュラたちは変わらずこちらとの距離を縮めることもなく、デフォールドした辺りの宙域に留まっています」 「しかし、今までで一番近い距離だったか」 「はい。数は3体ですので大群でもありませんし、空母級の大型などの姿は確認していませんが…」 「バジュラは仲間と繋がっているから、いつどうフォールドしてくるか分からんな」 「はい」  モニカとのやり取りを聞きながら、ブリッジのクルーたちは戦闘にならないことだけを祈りながらモニターを見つめていた。 「クレアちゃん、大丈夫?気分悪くなったりしてない?」 「大丈夫だよ」  前方のエイミーからの問いかけに笑顔で答えてから身を乗り出し、他のVFの姿を目で追う。 「いつも私は離れたところから見てたから、不思議な感じ」 「前回はもっと後方?」 「うん。お兄ちゃんが心配して、キースくんの機体に乗せてもらったんだ。キースくんは目が良いから早く動き掴めるだろうって」
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